南史の買取実績詳細
- 買取書籍名
- 南史
- 買取金額
- ¥74,000
- 買取日
- 2025年8月9日
- 買取方法
- 出張買取
- ジャンル
- 歴史書・地理書
- 冊数
- 40冊
- 主な内容
- 南史 40冊セット
- 本の状態
- 状態不良
- 買取理由
- 書棚の整理
- 高価買取となった理由
- 人物列伝では皇帝や将軍、文人など多彩な人物像が描かれ、史料的価値が非常に高い全集のため
※掲載している買取実績は、お客様の同意を得た上で一部情報を加工しております。買取価格は市場価値や本の状態により変動いたします。
南史 40冊セットの買取を行ったスタッフからのコメント
東京都葛飾区にお住まいのお客様より、中国史の基礎資料である『南史』全40冊セットをお譲りいただきました。『南史』は唐の李延寿によって編纂された中国正史のひとつで、宋・斉・梁・陳といった南朝の歴代王朝を記録した貴重な史書です。中国史の学習においても基盤となる資料であり、日本の東洋史研究や歴史教育の場でも重んじられてきました。今回お譲りいただいたのは、日本の出版社が刊行した影印版で、40冊すべて揃っている大変貴重な一揃いです。一般の古書市場に出回ることは少なく、研究者や大学図書館から安定した需要があるシリーズのひとつであり、保存状態が良好なセットは特に高い評価を受けます。
今回のご依頼は、葛飾区にお住まいのご家族からでした。ご親族が中国史研究に熱心に取り組んでこられた方で、長年の蔵書を整理する中で「価値の分かるところに託したい」との思いから当店にご連絡をいただきました。実際に現物を拝見すると、函には経年によるヤケやスレはあるものの、本文は鮮明でページの欠損もなく、書き込みも見られない良好な状態でした。何より40冊が欠けることなく揃っている点は大きな価値を生み、査定額に大きく反映されました。査定額をご提示した際には「研究の一助となった本を理解していただけて安心しました」と喜んでいただきました。査定員としても、学術的な価値を持つ本を次につなげる役割を果たせたことに大きなやりがいを感じました。
『南史』は、中国史における「二十四史」の一部を構成しており、中国古代から明代までの正史群のなかで南朝史を伝える重要資料です。南朝の王朝史は北朝と比較して記録が少ないため、南史は研究者にとって欠かせない史料です。日本では戦前から戦後にかけて東洋史研究が盛んに行われ、各大学図書館には正史の影印版や翻訳版が整備されました。しかし近年では一括で揃える機会が減り、既存の蔵書が市場に流通すること自体が珍しくなっています。そのため、今回のように全巻揃いの『南史』セットは、研究者や図書館にとって非常に価値が高いのです。
査定において特に重視されるポイントは以下の3つです。
- 保存状態:函やカバーの有無、破損やヤケの程度、本文の鮮明さ、ページの欠損や書き込みの有無。学術利用に適した状態であれば評価は高くなります。
- セットの完備度:全巻が揃っているかどうか。1冊でも欠けると研究利用やコレクション価値が下がるため、全巻揃いは非常に大きな評価要素となります。
- 需要と希少性:中国正史シリーズは研究者や図書館からの需要が安定しており、特に絶版や重版未定のものは市場価値が高く維持されます。『南史』も例外ではなく、揃ったセットは常に探されている存在です。
今回の『南史』全40冊セットは、この3つの基準をすべて満たしていました。保存状態が良く、全巻が欠けることなく揃い、さらに研究需要が続いていることから、高価査定に至りました。
葛飾区という地域は、文化と学びを大切にする土地柄でもあります。古くからの本好きや研究者が多く住み、世代を超えて蔵書が受け継がれてきたご家庭も少なくありません。今回もご家族の研究の跡が残る蔵書の整理であり、「大切な本を無造作に処分するのではなく、理解のある査定員に託したい」という強い思いをお持ちでした。下町情緒と共に育まれた文化的な背景が、この地域でのご依頼の多さに表れているのだと感じます。
BOOKRIVERでは、葛飾区をはじめ東京都内全域で出張買取に対応しています。専門書や歴史書のセットは重量があり運搬が難しいですが、当店スタッフが直接ご自宅に伺い、その場で査定から現金でのお支払いまで行います。全巻揃いの歴史書や学術書は専門知識が必要で、一般的な古本店では適正に評価されないことも少なくありません。当店では過去の取引実績と市場動向を踏まえ、学術的価値をしっかり理解したうえで査定を行います。
歴史書の買取は単なる売却ではなく、知識と文化の継承です。『南史』のような正史は、中国史研究の基礎を支える重要な資料であり、次世代の研究者や学生にとっても欠かせない存在です。全40冊揃いの今回のセットは、今後も新たな研究の現場で活かされることでしょう。
今回の査定を通じて改めて感じたのは、学術的な専門書は「本を手に取る人の思いと努力」を体現しているということです。ページをめくった際のインクの匂い、紙質の手触り、函に刻まれた使用の痕跡――それらはすべて研究に打ち込んだ時間の証です。そうした本を丁寧に扱い、次へとつなぐことは査定員として大きな責任であり、誇りでもあります。
この度、葛飾区で『南史』全40冊セットを高価買取させていただきました。保存状態の良さ、全巻揃いの完備度、そして需要の高さという三つの理由から、高い評価をつけさせていただきました。BOOKRIVERでは、中国史・日本史の正史や歴史書、学術専門書、全集の買取を強化しています。葛飾区で蔵書整理や歴史書の売却をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。大切に読み継がれてきた一冊一冊を誠実に査定し、その価値を未来へとつなげてまいります。