論文検索エンジンGoogle Scholarで論文を探す方法
2022年7月19日
論文検索エンジンGoogle Scholarで論文を探す方法
。
今回はさまざまな文献を検索することが出来るGoogle Scholarについてご紹介します。
Google Scholarで論文を探す方法やメリット、注意点などをまとめてみました。
◎論文検索エンジンGoogle Scholarとは
トップページを覗くとまず目につくのは「巨人の肩の上に立つ」です。
こちらの標語「巨人の肩の上に立つ」とは、12世紀のフランスの学者シャルトルのベルナールの言葉とされるものです。
現代の学問は多くの研究の蓄積の上に成り立つという意味を表しています。
ウェブ検索サイトのGoogleの提供する検索サービスの一つであり、主に学術用途での検索を対象としています。
論文だけでなく、学術誌、出版物の全文やメタデータにアクセスすることができます。
分野や言語を問わず、論文を幅広く検索することができるサービスとなっていて、Google検索と同様に検索窓に著者名や
キーワードを入力することで、それに関連した論文が表示されるといった簡単操作で誰でも利用することができます。
多くの大学では、参考文献の検索にGoogle Scholarが推奨されており、Google Scholarと学内データベースの連携がされているところも
少なくありません。
学内データベースと連携することで、Google Scholarで閲覧できる論文と、学内データベースに掲載されている論文を
まとめて検索できるということになります。
◎Google Scholarで論文を検索するメリット
♦図書館のように誰でも無料で利用可能
論文を閲覧できるサイトの中には有料の場合もあります。
また多くの人が慣れ親しんでいるWebサイトであるgoogleと同様の操作であることから、非常に使いやすいという点もメリットのひとつです。
難しい操作は一切なく、誰でも簡単に使うことができるのです。
♦Google Scholarを使用することで、検索した同じ内容の論文をまとめて表示してくれる
Googleで検索した場合、論文だけでなくそれらに関連するような情報も検索結果にあがってきます。
さまざまな情報の中から論文を探す手間を省くことができるのです。
♦入手困難な資料を検索できる
入手が困難な資料.学術機関などによる非商業出版物、つまり灰色文献とよばれるものを探し出すことも可能です。
♦論文を引用するためのオプションがある
あらかじめMLA(外国語系の論文で使用されることが多い形式)やAPA(教育学や心理学の論文で使用されることが多い形式)Harvard(ビジネス学で使用されることが多い形式)などにフォーマットされています。
♦マイライブラリ機能で気になる論文をいつでも読み返すことができる
検索結果のリンクの一番下の行に保存ボタン(☆)があります。
これをクリックするとマイライブラリに追加される仕組みとなっています。
再び検索することなく、マイライブラリをひらくことですぐに読めるようになるのです。またライブラリではラベルを作成することができ、それによって論文の整理が可能となっています。
このようにGoogle Scholarで論文を検索するメリットは非常に多岐にわたることがわかります。
◎Google Scholarで論文を探す方法
1.https://scholar.google.co.jp/ にアクセスします。
2.Googleで検索するときと同じように、検索窓で論文に関連するワードを入力
入力した条件を満たす論文が表示されます。
この時に条件を設定することで、探している論文により近づいた検索結果を表示させることが可能に。
検索オプションから絞り込みたい情報を選び入力するだけです。完全一致検索を行いたい場合には、引用符 (“) でキーワードをかこんだり、特定の年に発行された論文の情報を取得する場合には、検索する単語 + 年 で検索をかけることでより見つけやすくなります。
Google Scholarの検索では、大文字と小文字が区別されませんが、ひらがなとカタカナでは検索結果は異なります。
3.検索結果の中から閲覧したい論文をクリックします。
ダウンロードできる論文には、論文の横に青いボタンがありPDF形式でダウンロードできるようになっています。
また論文本体が有料の査読つき雑誌に投稿されている場合でも、本人のウェブサイトに論文が無料でアップロードされている場合や、
アーカイヴにプレプリントがアップロードされている場合があります。そのような時には検索結果右下の「〇〇バージョン」と
書かれている部分から、その論文本文にたどり着くことが可能となっています。
◎Google Scholarを利用するうえでの注意点
〇世の中のすべての学術情報を検索できるわけではありません。Google Scholarに登録されている論文サイトに投稿された論文のみが
検索結果として表示されます。もしGoogle Scholarで見つけられない論文がある場合には他の論文閲覧サイトやデータベース、
専門分野の電子ジャーナルなどを並行して検索することをおすすめします。
〇ヒットした情報すべてが学術的であるとは限りません。個人のサイトや査読を通過しておらず、論文の著者から高額の論文掲載料を
得ることのみを目的として発行される、いわゆるハゲタカジャーナルによる論文などもヒットするため、文献の信頼性という部分で
注意が必要です。情報源や発信元を必ず確認するようにしてください。
〇Google Scholarでは同じ論文に複数のバージョンが提供されていることがあるので、参照する場合には、学術出版社や学会などが
公開している正規のバージョンを利用するようにしましょう。
〇Google Scholarの検索結果に出てくる論文が全て無料で読めるわけではありません。中には全文を無料ダウンロードできるものも
ありますが、全文を読むためには論文を購入するしかないという場合もあります。
まとめ
Google Scholarを利用するととても簡単、スピーディに論文を探すことができます。あくまでも検索ツールなので、論文の保存や
ダウンロードが無料であるかどうかは確認するようにしましょう。
メリットが多いGoogle Scholarですが、注意する点もあることがわかりました。Google Scholarでの結果を全てとはせずに他のサイトや
データベースも利用して正しい情報を得るようにしましょう。